おかんの手料理 ~7人のハチャメチャ物語~
「……よぉ。何か用か?」

「誠也、僕の悩みを聞いてくれ」

「悩みぃ?恋か?」

「いや、違う。コンビニ弁当……」

 僕は何を言っているんだ。ああ、情けない……。

「コンビニ弁当が何だ」

「えっとぉー……、そのぉー……」

「何なんだ。早くしてくれ。こっちは大学生なんだぞ。勉強以外にもやることいっぱいあるんだよ。何なんだ」

 誠也は多少、キレ気味だ。素直に話そう。

「コンビニ弁当が味気なくてさ。だから今、全然楽しくないんだよね」
「……。そればっか食ってるからだろ。飽きたんだよ。スーパーの弁当とか、焼肉屋行くとか、ファミレス行くとかすれば?」
 
 ほぅ、その手があったか。良いこと言ってくれるじゃないか。というか単に、それに気付かなかった僕がダメなだけなんだけど。
 
「サンキュ。実行してみるわ。誠也、大学頑張れよ」

「おう。じゃあな」

「じゃあな」



 

 
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