おかんの手料理 ~7人のハチャメチャ物語~
「おーい!」

「……」

「おーい!!」

「……」

「おーーい!!!」

「……はっ!」

 アタシは大樹に呼ばれているのに、ようやく気付いた。



 時計を見る。いつの間にか休み時間になっていた。



「お前、大丈夫かぁ?」

 大樹はアタシの前の横の席に座った。

「う、うん。大丈夫」


 大樹は一緒のクラスで、アタシの友達だ。唯一の話相手だ。

 彼氏でもなんでもない。ただの友達。


 大樹も、アタシしか話相手がいないみたい。

  
 アタシ達二人だけが、この学校のグレ者なんだ。


「お前さ、本当に立ち直れたのかよ」

「へ?」

「へ?じゃねぇよ。恭子さんのことだよ」


 ああ、そのことね。

 大丈夫だよ。ただ、サツマイモ味噌汁が食べられなくなったのが……ね。


「うん、へーきへーき。大丈夫」

「そう」

 
< 46 / 81 >

この作品をシェア

pagetop