おかんの手料理 ~7人のハチャメチャ物語~

恭子さんが残してくれたもの

 手に取ってみる。


 真っ黒のファイル。


 たくさんのルーズリーフが綴じられていた。


 題名も何も書かれていない。


「本…じゃあないよね」



 アタシは、恐る恐るそれを開いた。真ん中あたりを。



「ん?カボチャの煮つけの作り方ぁぁ?何だコレは」

 それは、恭子さんの字だった。

 特徴ある汚さだったから、すぐ分かった。



 へぇー。ちゃんとメモってたんだぁー。

 でも、メモってたって言っても、すごいキッチリ書いてるなぁ。

 まぁ、性格があんなだったしね。


 


 へぇーと思いながら、他のページもペラペラとめくっていった。
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