恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~

ニセモノの剛は突然声をかけられて立ち止まったせいで、相手チームの選手にボールを捕られてしまった。

「剛じゃない……」

“クソ、なんだよ!”みたいな面白くなさそうな顔であたしをにらむと、捕られたボールを追いかけていくニセモノの剛。

3年前に死んだアイツがこんなとこにいるはずないか……。



「帰ってよ! ココはアンタのくる場所じゃない!」



突然、ヒステリックにあたしを怒鳴りつけた女のヒトの声。

でも、この声はよく知ってる声だ。聞くのは3年ぶりだけど。

声のしたほうを見ると、バックネットの向こうには、あたしを憎しみのまなざしでにらみつけるひとりの女のヒトがいた。

年は23、4。手には黄色いメガホンを持ち、その手首にはミサンガがまいてあった。化粧っけのない日に焼けた肌が印象的だ。

「おねーさん……」

昔、サッカー部のマネージャーをしていた郁巳おねーさんだった。

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