恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
今度はユニフォーム姿の誠志郎さんが涼しげな眼差しで微笑みかけてきた。


「“手毬の毬”なんて縁起でもねぇオンナを、なんでオレらの勝利の女神にしなきゃいけねぇんだよ。勝利の女神なんていらねぇ、っつーの」


さらには剛のカチンとくる場面まで。


死ぬ直前、過去の思い出がよみがえって走馬灯のようにクルクル回る、って聞いたことあるけど。

…ということは、あたしの人生はここで終わる、ってことか。


18年。

他人から見れば短い人生だったのかもしれないけど、あたし的にはいろいろあったから、もういいよ、って感じかな。

これから先、生きてても、どーせナニもいいことなんてないだろうし、このまま死んでも別にいいよ。

もう疲れたよ。終わりにしよう。

これでやっとラクになれる。苦しむことも悩むことも悲しむこともなくなるんだ。

ハッピーエンドなんて夢のまた夢。

これが現実のエンディングだ。

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