恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
…ってことはこのおはさんが彼の母親なんだ。つまり家族全員ヤンキーってことか。

「ま、ホントはあともう1点入れてハットトリックを決めたかったんだけどな」

「ほぅ、そうか、そうか♪ だったら今日はワシのおごりだ。みんな好きなものを注文してくれや」

ごきげんなヤンキーおじさんの一声で…、

「イヤッホゥー」

「ゴチになりやす!」

「マスター、とりあえずビールね!」

…などと歓声を上げながら、部員たちは各々椅子に座っていく。


そんな中、あたしがどこに座ったらいいのか分からず立ち尽くしていると…、

「まりっぺ、ココに座んなよ」

…って郁巳おねーさんが声をかけてくれた。

彼女の隣には金髪のヒトが座っていて、それに向き合うカタチで空いてる席の隣には、誠志郎ってヒトがもう座っていた。

…ってことは、このヒトと並んで座ることになるワケか……。

「うん…」

彼女に言われるまま、空いている隣に腰を下ろすあたし。
< 44 / 227 >

この作品をシェア

pagetop