恋舞曲～雪の真昼に見る夢は…～

せっかくの気合入れまくりのお見合いだったから、出ばなをくじかれたみたいで、ハッキリ言って超ムカついたんだけど、実際に会ってみると…、

「遅くなって本当にすいません。今日は非番だったんですが、出がけに僕の担当している患者さんの具合が急に悪くなりまして、それで……。別に間宮さんと患者さんとを秤（はかり）にかけたっていうワケではないのですが……」

…って、９コも年下のあたしに対して、ペコペコと謝ったそのヒトは想像していたよりもずっと誠実そうなヒトだった。

父からは開業医の一人息子だって聞いてたし、かなり横柄（おうへい）な感じのおぼっちゃまタイプを想像していたあたしにとっては、想像に反して腰の低いキャラクターだった。

そのヒトの見た目をひとことで表現するなら“なんか韓流スターっぽい”って感じ。

あたしはまだ１８歳だし、韓流スターにお熱を上げるようなトシじゃないけど、そんなあたしでさえ、見るからに爽やかでやさしそうなそのヒトには好印象を抱かずにはいられなかったくらい。


遊園地の中を歩いているときも、年齢を問わず女のヒトたちがすれ違いざまに、そのヒトをチラ見していくのが分かった。

あたしは韓流スターみたいなヒトといっしょにいられることへの優越感を感じながらも、反面…、