恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~

「そ、それはよかったですね…」

と答えた。ちょっと作り笑顔だったけど。


…と、まぁ、こんな調子でタイムリミットまで残り3ヶ月のお見合いはつつがなく終わったのデシタ――――



彼と別れて急いで家に帰ったあたしはすぐさま、今回、安達さんを紹介してくれた江波園子(エナミ・ソノコ)さんという看護師さんに電話を入れて、あらためてお礼の気持ちを伝えた。

だけど、あたしより先に彼のほうがもう電話をしていたみたい。

ヤラレタ…。

あたしのほうが先に言いたかったのに……。

「あたし、安達さんとしばらく付き合ってみたいです」

「おめでとう。彼もあなたとお付き合いしたいそうよ」

「ホ、ホントですかっ!?」

「えぇ、もちろん、本当よ。それに彼のほうがあなたより先に、わたしに電話をしてきたんだから、この縁談には相当乗り気だと思っていいんじゃないかしら」

「そっか……そうですよね♪」


< 85 / 227 >

この作品をシェア

pagetop