xxx彼氏のないしょ

act.1 彼の正体

学園の王子兼私の彼氏

「おはよう」


那智が教室に入った途端廊下にまで響き渡る黄色い悲鳴

いい加減うんざりだ


「きゃっ、おはよう佐久間くんっ」

「おはよう」


ちょ、ちょっと！
那智、アンタ何営業スマイルとか見せちゃってるのよお!!

そんなんだから
この女どもがあぁぁぁあああっ


「ちょ、ちょっとぉ真夏さんこっち睨んでるんだけどぉ」
「え、こわっ、…なんで真夏さんなんかが“王子”と付き合ってるのかしら」
「ほんとよねぇ」


「………」


ばっちり聞こえてるっつーの
ば　っ　ち　り　な!!!



「…？みかん？」

「………」

「どうした？」


那智が廊下で突っ立ったままのあたしを変に思ったのかゆっくりと近づいてくる


「みかん、教室入ろ」

「…ん」


このヤロウ、本当顔だけはかっこいいんだから


ムカつくからガバリと腕に抱きついてやった


クラスの女子どもに見せ付けるように

ふん、アンタ等には出来ないでしょ、ってね



「「「「んな゛っ」」」


さっきあたしの悪口云ってた子達がなんか喚いてたけど気にしない