うさぴょん号発進せよ

第3節 脱出ルート

ヴェイトの顔色の変化には、コウヅキも気付いたようだった。

「おい、どうしたんだよ」

声を掛けたのだが、しかしヴェイトはそれには答えなかった。

「現在、どのくらいまでいっているのかしら?」

「56%」

「!56、もうそこまで。…お姉ちゃん、止まるまでには、あとどれくらいの時間?」

「6時間43分18秒」

3人はそのまま黙って、二人の会話を聞いていた。

続いて専門用語らしきものも飛び交い、トヲルには何を言っているのか全く理解できなかったが、真剣に何かを話し合っていることだけは分かった。

その会話には、第3者が入り込む隙はなかった。コウヅキもそれを察知したのか、それ以上は話し掛けることをしなかった。
< 219 / 352 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop