身長差15センチの関係
真実にさらされた高志の頭の中は真っ白になった。
真っ白なまま他の測定を終え、
保健室を出た。

とぼとぼと
足だけは勝手に進んで教室に向かっている。

自分の足が見え続けるうつむいた姿勢、
廊下がいつもよりずっと近くに見える。

「・・・・・・ふぅぅ」

教室へと上がる階段に出ると、
身体はまた勝手に方向を代えてくれた。
一段、一段、とぼとぼと身体が持ち上がる。

「・・・・・・はあぁ」

またひとつもれる、ため息。
力が抜けていく。

「少年」

どこからか、
自分を呼ぶ声が聞こえるような気がするが、
理解できない。

「・・・・・・・・・・・・ふあぁ」
「おい、少年」

ただ、うつむいて階段を上っていく。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「おい」

そして、階段の中ほど。

とんっ。

最初にそんな感じが額にして、

むにゅっ。

次に顔全体がそんな感じに覆われた。

「・・・・・・??」
「やれやれ、大丈夫か?少年?」
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