身長差15センチの関係
「こういう場面では、よくあるやりとりだろう?」

「普通の先生は、そんなことしません」

「私は普通じゃないと?」
「・・・・・・いじわるです」

「うむ、もともと荷物運びは罰だしな。オプションだと思え」

弓倉は、鍵をドアに挿し込んでひねる。

「まあ、なんとなく君に待っていろと言ったら、その重たい筒を抱えたまま何時までも待っていてくれそうな気がしてな」

「試したくなった」

「落ち付いて考えれば、君はここで待っていなくてもその筒だけ置いていけばいいのだぞ」

「む・・・・・・でも、」

そうだけど、
高志にしてみればそんな選択はない。

「“先生”がここで待っていろって言えば、待ってますよ。普通」

高志にとってはあたりまえのこと。

そうでしょ?
と、顔に出して弓倉を問い返すと、

弓倉はまいったと、負けて反省の顔をした。

「そうだな、」

「“私が”、言ってしまえばそうなるな」

< 49 / 146 >

この作品をシェア

pagetop