恋 時 計 ~彼はおまわりさん~


食事が終わり、お母さんと私は台所で後片付けを始めた。

おばあちゃんは鼻歌を歌いながら自分で漬けた胡瓜の漬物を切り、お皿にのせておまわりさんとお父さんに持っていった。


「ふふ、宮本さんが来るとみんな上機嫌ね」

「うん……」


小さく口を開いたお母さんの一言が、とても嬉しかった。


リビングのソファで飲み続けているおまわりさんとお父さん。

並んでいる二人の背中が、なんだか本当の親子のように見える。



ずっとこんなふうに過ごせたらいいな……。

そう思いながら、私は残りの片づけを終わらせた。



リビングに行くと、上機嫌なお父さんとおまわりさんが楽しそうに話し続けてる。

二人の笑い声を聞いていると、なんだかこっちまで笑顔になっちゃうよ。




お母さんは時間を気にしてお父さんに声をかけた。


「あなた、そろそろ宮本さんを帰してあげないと……」

「……ん? もう10時かぁ」


壁に掛かっている時計を目にしたお父さんは溜め息をつき、薄くなり始めた髪の毛をポリポリと掻いた。

そして、思いがけない言葉を突然口にした。




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