恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「おまわりさん!」



おまわりさんの背中に向って声をあげた。




「私―― 今、先生と付き合ってる。
一哉と付き合ってるから!」



こんなこと、おまわりさんが知ってもなんとも思わないと思う。


どうして俺に言うの? って思われるかもしれない。



けど、ちゃんとしたかった。


私の中で、ちゃんとけじめをつけたかった。




ドキドキと大きく脈を打つ心臓の音。


もしかしたら、手から一哉に伝わってるかもしれない。



それでも、私は一哉の手を握り締めた。



今、この想い

一哉に知ってもらいたいから。







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