恋 時 計 ~彼はおまわりさん~

傷だらけのヒーロー




電車を降りた後、当てもなくおまわりさんを探した。


どこの駅で降りたのかも、どこにいるのかもわからない。


だけど、探さずにはいられなかった。



速まる鼓動、流れる汗。

前にも同じように走ったことがあった。


あの時も、私はおまわりさんを探してた。



会いたくて、会いたくて……

ただその一心で走り続けていたあの時。


突然恐怖のどん底に落ちた私を見つけてくれたのは、おまわりさんだった。






今度は、私が見つける。


私がおまわりさんを見つけてみせる。









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