恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「なんかごめんね。酔っ払いの俺ばっかり喋って」
「ううん。嬉しいです。
お父さんがそんな人だったなんて知らなかったし、おまわりさんのことも知りたいから」
嬉しすぎてつい本音がポロってでちゃった。
おまわりさんのことが知りたいだなんて……。
すぐに赤くなった私の顔を見て、おまわりさんは目を丸くした。
そして、小さな胸が本当に張り裂けちゃうようなことを言ったんだ。
「美樹ちゃん、おばあちゃんが言ってたことってホント……?」
おばあちゃんが言ってたこと?
言ってたことって……
『美樹ちゃんの顔が赤いのは宮本さんのせい』
私は真っ直ぐな眼差しのおまわりさんを目の前にして、息すら出来なくなった。