恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「行くな!! 本当に撃つぞ!!」
浅野さんの叫び声を背に、ただおまわりさんだけを見つめて歩いた。
私の大切な人。
私の大好きな人の手が、そこにある。
あと少し
もう少し
「おまわりさん――!」
おまわりさんの手に触れた瞬間、私はその手を強く握った。
「美樹、大丈夫か?」
片腕で私を抱き寄せたおまわりさんに、私は大きく頷いた。
そして、背を向けていた浅野さんに視線を移した。
浅野さん……。
浅野さんが何か言おうとした時、
鼓膜が破れるくらいの大きな音が響き、耳鳴りがした。