最低彼氏。

なんつー奴。


普通は『好きだー』とか叫ぶでしょ?


ちょっと期待しちゃったよ…。


蓮…。


みんな言ってるよ?


あのカップルは合ってないって。


アタシじゃ蓮と釣り合わないんだって。


なんか悲しいね。


蓮…。


アタシの事…本当に好きですか?


ザザァン…ザザァン…


波が浜辺に打ち寄せる。


アタシは波間に近づいて行った。


『ひゃあ…冷たい…。』


夏の初めの海。


肌に響く冷たさ。



蓮はサーフボードの上に腹ばいになって乗っている。


『あ…。』


おっきい波が来たと思ったら、蓮は華麗に乗りこなした。


『カッコイイ…。』


息を吐き出すように、当たり前のように口から出た。


『ただいま〜。』


すぐにアタシのところまで波に乗りながら帰って来た。


『おかえり。』


ザザァン…


波の音がやけに大きく聞こえた。


太陽に照らされる蓮の上半身は小麦色で引き締まっていて…。


アタシの顔、体は一気にほてってしまった。
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