月の果て


「ひっ、卑怯者ーっ…!!」

城中にソフィの悲痛な叫び声が響き渡った。



なんて事なの!?


なんて方なの!?




キルトは、血も涙も通っていないのだわ!



そうでなければ


こんな勝ち方なんてしないもの!





「……あのね、時間を考えなよ」

キルトは、呆れたような表情をしながらソフィを見つめた。




「だって、だって……」

ソフィは、もうすでに半泣き状態に陥っていた。



「"さっきから大貧民が続いてる"って?」

キルトは、意地悪そうにソフィを見た。




…………この方は、



「言っておくけれど、この勝負は私が勝つまで続くんだから!覚悟しておく事ね」

ソフィは、フンッと鼻を鳴らした。
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