月の果て


「どうして?」

マリアナが優しく問い掛ける。


だって──…


「だって、私はお会いしたこともないのですよ?そんな方と結婚だなんて..」


「そんな事を言ったって仕方がないだろう?向こうの王子がお前を妃に欲しいと申してきたのだから」


「そう、なのですが…」


これじゃあ、政略結婚だわ。

…そんなのまっぴら御免よ。



「断ればどうなるか、分かるだろう?」



「……はい」


───…戦争。

そんなの、頭の中じゃ分かってる。


だけど


まだ、夢の中のあの人にも逢っていないのに───…
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