月の果て


────…な、


なんですって?





「権利を、譲る──…?」


これには、さすがのシルベリアもポカンと口を開いた。




「はい。私はこの女性と共に、外の世界を見てみたいんです」


とジェオルドと女性は、幸せそうにお互いの顔を見合わせた。






────…幸せそう、





「だから、キルトに譲ります」





その言葉に、



「……ちょっと待った」


と口を挟んだのは、

他でもない不機嫌なキルトだった。
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