月の果て


「それより、キルト様。お分かりの事かも存じませんが……眼帯を」

とデカルトは、表情を曇らせてキルトに右目に眼帯をするように促した。



…………そうだ。



「あぁ………、そうだな」

キルトは、そう言って眼帯を右目に付け直した。



忘れちゃいけない...


あの子が綺麗だと言ったこの瞳は、



キルトは、そっと右目の眼帯を抑えた。


呪われているのだから────…




「……………ガォ」

ライアンがキルトに擦りよる。


「起こしたな…、ごめん」

キルトは、申し訳なさそうにライアンの頭を撫でた。



そして、


妖艶な笑みを浮かべながら我が物顔で暗い空に浮かぶ月を眺めた。




さぁ、

余興を始めよう─────…
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