何処にでもあるラブストーリー
程なく、僕の携帯はバイブ機能のみで鳴り始めた。 

「吉田です。 今着きましたよ。  涼子もいっしょです。 お別れを言いたいんですって」と言っている。

僕は、パソコンとコンポを持ち、玄関まで降りて行った。

「おはようございます。 悪いすね。 朝早くに」吉田は僕の実家を見るのが始めての様子で、僕の家を見ている。

「おお、いいよ。 捨てずに済んでこっちも嬉しい。 俺んちあの地図でわかった?」僕は不用品を吉田に渡し、吉田は彼の黒い4WDのトランクを開けて荷物を収納する。

「わかりましたよ、なんとかね、しかし、急でしたね。 全く会社はいつも急なんだもんな」不満げに吉田は言う。
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