涙の欠片

バッ――…

荒れた呼吸とともに勢い良く身体を起こし額に手を当てる。

額に手を当ててから首筋を撫でるとベタッとした気持ち悪い汗が身体中に纏っている。

あたしは慌ててベッドから下り、洗面所へ向かった。


蛇口からめい一杯の水を出し顔を濡らす。


気持ち悪い…

吐きそう…

頭、痛い…

薬が飲みたい…


蛇口から流れ出す水音とあたしの荒れた呼吸が自棄に耳に入ってくる。


「おいっ、恵梨菜!!」


そう声が聞こえてあたしの身体はビクッと飛び跳ね小刻みに震えだした。

肩を掴まれあたしの顔の前に現れたのは表情を崩すリュウの顔。


「どうした?」

「…あ、あた…あたし…。ご、ごめ…」

「落ち着けって」

「ごめ…」

「恵梨菜!!」


リュウは声を張り上げ、あたしの身体をギュッと抱き締める。


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