涙の欠片
黙るあたしに達也は「俺の事、好きなんじゃねぇのかよ…」と小さな声を漏らす。
達也は“もう”って言った。
あたしはそれだけ達也を待たせていたんだろうか…
まだ1ヶ月なのに…。って言うか達也にしたらその1ヶ月が“もう”なのかも知れない。
あたしはその感覚が分かんない。
達也の事は付き合った当初よりも好き。
達也に抱かれるのを恐れているんじゃない…
あたしの傷を見せたくないんじゃない。
ただあたしは達也の事を“もう”受け入れなければならないと思った。
だからあたしは答えた。
「いいよ」
微かに声を漏らすと達也はあたしをベッドに押し倒した。
達也は覆いかぶさったままあたしの肩に顔を埋める。
そのまま肩にキスを落とし、耳、頬と達也の唇が触れた後、あたしの唇を奪う。
「恵梨菜…」
そう囁かれ達也の舌があたしの口の中に割り込んでくる。
身体中に達也のキスが降り注いでいくなか、あたしはただ天井を見つめる事しか出来なかった。