バレットフィンク
コウスケは不安と好奇心の入り混じった面持ちで


「俺、一生懸命頑張るからリョウタ君を必ず説得してよ、お願いだから!」


と両手を擦り合わせて嘆願している。そんなコウスケの切実な頼みに対してタケシが


「とりあえずは俺達の演奏を聴いて貰わないと、俺の口から何とも言えないだろ!?全てを決断するのはリョウタなんだから」


とコウスケを眺めながら訴えかけた。その訴えに対してコウスケが神妙な面持ちで


「そうだね、タケシに権限がある訳じゃないんだから当然だな…」


と自分に言い聞かせる様に話す。


タケシは、自分がこれでプロへと続く階段をほんの少し、何段かを昇り始めた事実を忘れない様に、しっかりと胸の奥で噛み締めていた…。



< 20 / 220 >

この作品をシェア

pagetop