バレットフィンク
シュンスケに至っては惚れた弱みか、別れてから一週間程の間、可哀相なぐらいの勢いで落ち込んでいた事をタケシは思い出していた。


その失恋が原因で、これ以上バンドを続けて行く自信が無いとまで言い出す始末であったのだ。


今ではあの頃がまるで嘘の様な勢いで、新たな恋に励んでいるが…。


バンドマンにとって、恋愛はとても難しい問題だと思えてならないタケシであった。


プロを目指している者は必然的にバンドを優先して動いてしまうものである。


そう言う意味に於いて、理想の恋人とは


「貴方にたとえ何が起ころうとも、私が必ず支え続けてみせるから任して!」


と、自信満々に言ってのけてしまう程の度量と覚悟を兼ね備えている女性で無ければ、上手に恋を育んで行ける筈が無いのである…。



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