夢で桜が散る頃に。

ほら、ここを変えられんかったら、

何にもならへんのや。

ポタッと何かが地面に落ちて、赤黒い染みを作った。
俺の目の前で震えて固まっている女の手を掴み、刃物を引き抜く。
カランッと音を立てて、それは地面に落ちた。
菜乃葉が後ろで、ぇ?と消え入りそうな声を上げる。
じわじわと少しずつ痛みが体を支配していき、耐えられなくなった俺は地面に転がった。

暖かい、赤いものが出てきているのが分かる。



「‥‥何?え?し、おう‥志黄っ!!」







死ぬのは明日なんや。

でも、その為の事が起きるのは‥‥







今日なんや。

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