涙の終りに ~my first love~
いつまでも仲良く
そしてユウジに甘えてばかりいて悪かったみたいな事も綴ってあった。

この手紙をもらった時、本当に悩んだ。
失恋の痛みも癒えはじめ一人に慣れてきてたのに今さらなんで・・・。

別れを言い出したのも彼女で寄りを戻そうと言うのも彼女、

あまりにも勝手じゃないか?

オレにしてみれば嫌いになって別れたんじゃない、
真子が望む別れだからそれに従っただけ。

「考え直してくれ」とか「別れたくない」と言わなかったのは男のプライドとかじゃなくて、あくまでも愛する人の意思を尊重しただけ。

あえて男のプライドを挙げるなら別れて何年も経ってすべてが思い出に変わった時、
最後の場面でユウジは男らしくなかったと記憶されるのが嫌だった。

勝史は「もう止めといた方がいい、でもそれはあくまでもユウジが決める事」と忠告してくれた。

こんな時って勝史のような第三者の意見が本当は正しいと思う。当事者のオレは愛している以上、恋愛感情を無視し正しい道を選択するなんて無理だった。

結局、勝史は真子と寄りを戻す事を見抜いた上でオレに
「気をつけなよ」と忠告してくれたんだと思う。

そしてオレは真子とのつき合いを再開させた。

それは修学旅行を目前に控えた頃の時期だった。
改めて付き合ってみると、別れる前はお互いに無理していた事が良く分かった。
無理をして自分を良く見せようと背伸びばかりをして、二人きりにから開放されると無事に終わったみたいな安堵感があった。
それが今度は自然体で居れて自分のすべてをさらけだせ無理をする事もなく楽だった。

それまでは下ネタなんて絶対禁句みたいな雰囲気があったけど、寄りを戻してからは
下ネタ全開で腹の底から二人で笑ったりした。


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