―ホストな恋―
智は落ち着いたあたしを連れて店の中に入った。

みんながミーティングしているのに智はカウンターの隅にあたしを座らせ理由を聞いた。

あたしは本当の事を言えなかった。

「お客さんが智に抱きついてたから」

…あたしは始めて智に嘘をついた。

そしてあたしは用意されたオレンジジュースを飲んだ。

智があたしの頭を撫でているのを見ていた店長サンがからかう。

「営業は終わったけどまだ仕事中ですけど!?」

そんな店長サンに智がいたずらっぽく笑って返す。

「俺はオーナー様やからイイの!!」

「こんな時だけ肩書き利用すんのズルいですやん!!」

あたしはジュースのお礼に片付けを手伝った。

< 76 / 205 >

この作品をシェア

pagetop