赤りんご






「ない………ない!」




゙水嶋亮太゙という名前はどこにも登録されていなかった。




「俺も、ほら」



亮太は自分の携帯を私に見せた。




「ホントだ…」



「俺ら、知ってるようでお互いの番号知らなかったんだよな。」



「そうだね…」



いまさら気付いた。



そういえば、亮太とメールや電話をしたことがない。





「はぐれたときにお前に連絡しようと思ったら、番号知らないんだってやっと気付いた。」



「私も気付かなかったよ。」





「俺ら付き合う前から仲良すぎたんだな!多分!」



「ハハハハハ」と笑った。




「なにそれ!」



私もつられて笑った。




それを機に、私たちはやっと番号とアドレスを交換したんだ。






「もうすぐ頂上だぞ!」



あっという間に、ずいぶん高いところまで来た。




「さっきよりもすごくキレイだね…」



「そうだなー!」



ずーっと目に焼き付けていたい。









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