ええねん

 そしてチャイムが鳴り、SHRが終わるらしく。

 オレは机の間をぬって最後列に進む。

 その間、小柴が立ち上がってオレに手を差し出してくる。


「よろしく、選抜インハイ経験者が入ってくるのは歓迎だ」


 こいつはあほなんかほんまにええやつなんか。

 オレは悩みもしたけど手を取った。


「実力主義やったら、オレも本気出すで」


「もちろん」


「チームメイトに国立で会おう言うてきたんや」


「それは響の活躍次第」


「気弱なこと言うなや」


 オレはそう言って小柴の横をすり抜ける。


「リョウ」


 と、小柴は大きな声を上げる。


「よかったな、即戦力だ」



 リョウ?

 カツリョウじゃなく?



 一瞬そう思いはしたけどサッカー部員が他にもいることはカツリョウに聞いていたんだった。

 そいつもライバルかな。

 オレは椅子を引いてドカンと腰を下ろしながらぼんやり思った。

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