あたしの廓-花魁道中-

壱.誘い

実家に帰ってきて何ヶ月経ったのか、それすら分からないくらいに多忙な生活を送っていた。

結婚する前に就いていた介護の職に戻り、昼はお年寄りと過ごして、家に帰ってきてからは育児…たったそれだけの単調な生活だったが、想像を絶する疲れに毎日襲われる。

酷いときには麻珠とそう関わる事すらなく爆睡してしまう日もあるくらい。

そんな生活を送るにつれ、最初はよく思い出していた香月の存在も、思い出す事が無くなっていった。
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