指切りげんまん
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茜色に染まり始めた空に何も知らない子供達の無邪気な声が響いた。
視線を空から子供達に移す。
住宅街の中の小さな公園、夕日に照らされ真新しいプラスチックの遊具は細長い影を伸ばしていた。
まるで幻想画みたい。

「お姉ちゃんバイバイ」

意識を目の前に戻せばあたしの座るベンチの前に母親らしき女性と女の子。
笑顔で手を振る女の子を見て少し羨ましくなった。

「…またね」

笑って手を振り返す。
満足そうに女の子は笑って母親と歩き出した。

いつの間にか人の居なくなった公園に木枯らしが寂しい。

ライダースの襟を直しバイクを跨いだ。

二年前とあたしは変わってない。

変わったのは…

アクセルを全開まで叩き込む。


エンジンの音と一緒に懐かしい声が聞こえた気がした。


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