徒然の裏側で
この影、自分の影かと問われました。
あるいは、誰か違う人かと。
あなたはどう読んでくれたでしょうか。
これは私が駅から家へ歩いていたときの話です。
無残に潰れた、バッタの死骸を見つけました。
あ、と思った。
でも私の足は止まらなかった。
以前もそうでした。
いつだって、そう。
哀れな死骸を見つけても、触れて埋葬する勇気もなければ、立ち止まることすらできない。
そのくせ、胸を痛めて、優しい人のふりをする。
そんな私への、嘲りの歌でした。
詠みたいと思ったのは、そんなことから始まったのです。