another contract

another contract -mark 5- 紅目線




なんでだよッ!!“餌”っていっても、ある程度働けなければクビじゃなかったのかよっ!
部屋を出ていく桃を見送って、親父は俺に視線を向けた。

「紅、お前は桃を逃がそうとしたんだろう‥?」
「‥‥あぁ、そうだよッ!!」

隠そうとは思わなかった。
ただ、あんなに辛い顔をしているところ、これ以上見たくなかったから。

「ただの“餌”なら必要無い。だか、“特別”だからな‥桃は」
「‥桃をおふくろみたいにする気かっ!?テメェはっ!!」

俺はぐっと親父の胸倉を掴んだ。
親父は顔色一つ変えない。
親父、テメェは本当に頭にくる事しかしねぇよな‥。



「おふくろを見殺しといて、まだ懲りてねぇのかよっ!!」




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