FAKE‐LAKE
「すみません、なんかまだ調子戻らなくて」

ニールの気配に気づいて目を開けたアンジェは申し訳なさそうに謝る。

「アンジェさん、具合悪かったんすか」

「……少しだけ、です」

休んでれば大丈夫ですから、と気丈に言うアンジェに、ニールは余計心配になった。

一人じゃ具合悪くても看病してもらえないもんな。大丈夫なんてアンジェは言うけど、本当は不安だったり寂しかったりするんじゃないだろうか。

ニールはアンジェが可哀相に思えてならなかった。一体何を考えているのだ、と見知らぬ依頼主に腹がたった。勿論、何か理由があるのだろうけれど。

「あの」

アンジェはゆっくり体を起こして尋ねた。

「地図は……?」

あっと声を出し、ニールは戸棚にしまった地図を取りに走る。

「すんません、食材と一緒にしまっちゃいました」

ニールのうっかりした失敗のおかげで、少しだけアンジェの表情に笑みが戻った。


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