FAKE‐LAKE
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


「アンジェ!」

目を開けると、今にも泣きそうな顔をしたレイが見えた。

ああ、よかった。あのまま熱でどうにかなるかと少し不安だった。アンジェは安堵して深い息をつく。

「よかった、アンジェ死んじゃうかと思った」

レイに支えてもらい、アンジェはゆっくり体を起こした。頭痛は軽くなり、視界もはっきりしている。

「三日も熱がひかなくて、もう駄目かと思った……」

アンジェは額から落ちたタオルを手に取った。窓辺に何枚かのタオルが干してある。きっと何度も変えてくれたのだろう。レイの優しさに温かいものを感じた。

「看病してくれたんだね。ありがとう、レイ」

アンジェの三日ぶりの笑顔に、泣きそうだったレイは本当に泣き出した。

「こ、怖かった。アンジェもう目を覚まさないんじゃないかって」

黄緑色の瞳からぽろぽろと零れる涙に、記憶の中の少年――幼い頃の自分の泣き顔がだぶる。

「ごめんね」

おじさんがしてくれたように、そっと頬の涙を拭うと、レイは本当によかったとアンジェに抱きついた。


< 141 / 563 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop