FAKE‐LAKE
正直、すぐに決められなかった。

アンジェを助けたい。でも、基地に戻りたくない。

「分かった……でもせめて、アンジェがよくなるまでそばに居させて欲しい」

レイの苦渋の末の返答を鼻で笑い、博士は懐に手を差し入れた。

「その間に逃げるのか」

「違う! あんたは嘘つきだから、アンジェを本当に助けてくれるのか見届けるんだ!」

「お前が」

ゴツ、と額に何かを当てられる。冷たく硬いそれが銃だと理解するのにさほど時間は要らなかった。

「お前にある選択肢は二つだけだ。今私と戻るか、戻らずにアンジェを見殺しにするか」

黙っているレイに冷たい笑みを浮かべ、博士は兵に言った。

「帰ろう。レイはアンジェを見捨てる気だ」

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