FAKE‐LAKE
痛みに呻くレイを見下ろして博士は笑った。そして兵に命令する。

「Rに脱走した罰を」

「はっ」

「ただし絶対に殺すな。反抗的だが貴重な実験体だ」

出て行こうとする博士の背中に向かってレイは叫んだ。

「僕は、絶対にあんたの言いなりになんかならない! 僕は」

博士はゆっくりとレイを振り返った。鋭い目に怒りがちらついている。

「あんたの“兵器(どうぐ)”じゃなくて、最期まで“人間”として生きるんだ!!」

張り詰めた空気の中、レイと博士の視線がぶつかった。

真っすぐなレイの目。どんなに踏み付けても揺らがない強い意志を感じさせる瞳。

博士の目が苛立ちと共に残酷な色を浮かべた。


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