FAKE‐LAKE
「……レイにも同じ事をしてるんだろう。いや、それ以上か」
心に小さく燃えはじめた火は“憎しみ”に繋がっている導火線に燃え移る。
透明な水の上にぽとりと落ちた黒い絵の具のように、アンジェの心に濁った色が少しずつ広がり始めた。
「居場所を突き止めて今度こそ必ず“的”に当ててやるさ」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「叔父さん、食事は?」
毎日、帰って来るなり部屋に篭るセティを心配してリーナは部屋をノックした。
返事がないので余計不安になり扉を開ける。
「叔父さん?」
中を覗きこむと、セティは上着を着たままソファーに倒れ込んでいた。
顔色の悪さに一瞬血の気が引く。
「叔父さん!」
気を失っているのかと思い、慌てて肩を叩くとセティは目を開けた。目を開けた事にほっとしたけれど、顔色はかなり悪い。
「何だ」
リーナはずれおちた眼鏡を外してあげる。
「食事は?」
セティは答えずに微笑んだ。そう言えばシェアラにもよく同じ事を聞かれた。やっぱり親子だな、と思う。
「ね、食事は?」
「ちゃんと食べてるぞ」
「……嘘」
リーナは怒っていた。アツキと喧嘩でもしたのかとからかおうとしたが止めておく。目が真剣だったから。そして何となく怒りの原因を察したからだ。
「最近、随分痩せたじゃない」
「仕事で走り回ってるからな」
「それだけじゃないでしょ」
リーナの鋭い瞳から目を逸らし、セティは笑ってごまかす。
そう、食べられないのだ。無理に食べても吐いてしまう。それが何のせいか、医師であるセティには分かっていた。
心に小さく燃えはじめた火は“憎しみ”に繋がっている導火線に燃え移る。
透明な水の上にぽとりと落ちた黒い絵の具のように、アンジェの心に濁った色が少しずつ広がり始めた。
「居場所を突き止めて今度こそ必ず“的”に当ててやるさ」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「叔父さん、食事は?」
毎日、帰って来るなり部屋に篭るセティを心配してリーナは部屋をノックした。
返事がないので余計不安になり扉を開ける。
「叔父さん?」
中を覗きこむと、セティは上着を着たままソファーに倒れ込んでいた。
顔色の悪さに一瞬血の気が引く。
「叔父さん!」
気を失っているのかと思い、慌てて肩を叩くとセティは目を開けた。目を開けた事にほっとしたけれど、顔色はかなり悪い。
「何だ」
リーナはずれおちた眼鏡を外してあげる。
「食事は?」
セティは答えずに微笑んだ。そう言えばシェアラにもよく同じ事を聞かれた。やっぱり親子だな、と思う。
「ね、食事は?」
「ちゃんと食べてるぞ」
「……嘘」
リーナは怒っていた。アツキと喧嘩でもしたのかとからかおうとしたが止めておく。目が真剣だったから。そして何となく怒りの原因を察したからだ。
「最近、随分痩せたじゃない」
「仕事で走り回ってるからな」
「それだけじゃないでしょ」
リーナの鋭い瞳から目を逸らし、セティは笑ってごまかす。
そう、食べられないのだ。無理に食べても吐いてしまう。それが何のせいか、医師であるセティには分かっていた。