FAKE‐LAKE
ピシ、と音がしてガラスに亀裂が入る。

微かに青く光る両手を見てレイは自分で驚いた。

レイの手を中心にどんどん広がっていく亀裂に青白い光が走り、一瞬全体が光に包まれたように見えて。

ついに大きな音を立ててガラスは弾け飛び、粉々に砕け散った。

舞い散る砂粒のようなガラスから顔を守る。音が消え、レイはゆっくり起き上がった。

床に細かいガラス粒が散乱している。まるでキラキラ光る宝石みたいだ。

レイは足元に残っているガラス面に触れてみた。ただ触れただけでは亀裂も入らず、割れる事もなかった。

「……何をしている」

突然、低い声がしてレイは縮み上がった。全然気付かなかった。いつ入って来たんだ。

恐る恐る振り向くと、扉の前に博士が立っていた。鋭い眼差しと目が合う。力を使ったのを見られてしまった。

ごくり、とレイは息を飲む。

足早に近づいてきた博士は乱暴にレイの胸倉を掴んで問い詰めた。


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