FAKE‐LAKE
マスターは笑って答える。

「俺は補導する側の気持ちが分かるぞ。お前、どう見てもスクール(小学校)の生徒だからな」

「ひっどいなぁ。僕一応今年で成人なんだけど」

「絶対確実に成人には見えない」

見られた事無いだろ、というマスターの言葉にアルはぷぅとふくれた。

「やっぱりこの可愛いビボーがいけないのかな」

「男が美貌とか言うな」

確かに可愛いけど、とマスターは笑う。

「この前なんかさ、家出少年と間違われてこんこんと説教されたよ。ご両親が可哀相だとか何とか」

「そりゃご苦労さん。で、お前の親ってどこの国の人なんだ?」

マスターはずっと気になっていた。人懐っこいアルはあまりこの辺で見ない顔だ。肌は白いし、瞳の色も珍しい。

「僕に親はいないよ」

いつも明るいアルの瞳が少しだけ揺れた。天涯孤独ってやつ、と言って肩を竦める。

「じゃ質問を変える。アルはどこの出身なんだ?」


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