FAKE‐LAKE
◇ ◇ ◇
アンジェが兵達を脅してロスタナへ向かった頃、ニールはアンジェの家へと向かっていた。
近づくにつれて手に汗がにじみ体の芯が震えてくる。普段なら気にならない小さな物音に何度も振り返った。
やばい、おれかなり緊張してる。上手く脱出させられるだろうか。
ニールは震える手を堅く握りしめた。これは武者震いなんだ、と自分に言い聞かせる。
坂を上がりながら近くに見張りがいるか捜した。どうやらそれらしき影は見当たらない。
少し安心してアンジェの家に入ろうと鍵を開けた時、突然後ろから誰かに肩を捕まれた。心臓が爆音を響かせ、一気に血の気が引く。
ごめんなさい先生、おれ早速ドジったみたいだ。
心の中で平謝りに謝った時、耳元で聞き覚えのある声がした。
「ニール?」