FAKE‐LAKE
「とにかく、緊張しなくて大丈夫よ」

もう少し待っててね、と言い彼女は応接間を出て行った。

『本当は優しい――』

一人になった“アル”は幼いふりをしていた仮面を外す。無垢な表情は消え、レイの冷たい眼差しが写真を見つめた。

「遅くなってすまない」

ガチャと扉が開き、博士が入ってきた。一瞬体が拒絶反応を示し、逃げだそうとする。

「はじめまして。私に何かご用かな?」

レイの向かい側の椅子に座り、博士はにこやかに話しかけた。

随分表情が違う。人が変わったような穏やかな雰囲気。

『本当は優しい……』

レイはぎゅっと手を握り、口を開いた。

「……僕、博士にお話ししたい事があるんです」


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