FAKE‐LAKE
教授は驚いたようにニールを見つめた。

「たった一人の家族だったレイは、もういない。アンジェにいるのはおれとあなただけなんだ」

ニールの目にも涙が浮かんでいる。レイを失って悲しいのは彼も同じなのだ。

「今のアンジェは一人に出来ない。いつレイの後を追うか分からない位精神的に不安定になってる。それくらいは分かるだろ?」

ニールの腕の中で震えているアンジェはひたすらレイに謝っていた。助けてあげられなくてごめん、と何度も何度も繰り返す。

「自分のしたことを本当に悪いと思っているなら、アンジェの事を本当に大切に思っているなら、二度とアンジェを独りにしないで欲しい」

教授は立ち上がった。ベッド横に膝をつき、アンジェの肩に手を触れる。

「触るな!!」

アンジェは右手で教授を思い切り突き飛ばした。

「僕に触るな。二度とあんたなんか信じない」

憎しみすら感じる瞳に教授は一瞬躊躇する。


< 433 / 546 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop