FAKE‐LAKE
「レイはこれからどうするの?」

ゆっくり階段を下りながらアンジェはレイに問い掛けた。夕食はレイの好きなものを作ろう、と考えながら。

「あの、ねアンジェ」

後ろを歩いていたレイは立ち止まり、何故か口ごもった。

「僕、さ……ここに戻ってきてもいい?」

アンジェはレイを振り返る。少し不安そうなレイの瞳と視線が合った。

「ここに住んで、ここから旅に出て、ここに帰ってきても、いい?」

遠慮がちなその問い掛けに、アンジェはふと最初に会った頃の事を思い出した。

『僕、ずっとここ、居ていい、の?』

はじめて屋根裏部屋を見せた時にレイが尋ねた言葉。

返事を待って緊張しているレイに、アンジェは笑顔でこう答える。あの時と同じように。

「レイがここでいいのなら」

レイは一瞬、目を見開き。

そして思い出したように小さく肩を竦めて笑った。

「ありがとう、アンジェ」


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