FAKE‐LAKE
よしよしと背中をさするシアナの優しい声に安心し、レイは父親にすがる小さな子のように泣きじゃくった。

「ふぇ、っく、うぅ――……」

怖いの。お願い、そばにいて。

「よしよし、もう大丈夫だ。そばに居てやるから安心しろ」

レイはシアナを見上げた。瞬きするたびにぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。

「何かお話読んであげるな」

普段ほとんど喋らず、無愛想で冷たい人だと思ったシアナが見せる優しい表情にリーナは驚いた。

シアナの穏やかな声を聞いているうちにレイは少しずつ落ち着きはじめる。

やがてシアナの胸にもたれたまま、静かに眠りに落ちた。

「悪夢を見たんでしょう、きっと。……かわいそうに」

シアナは独り言のように小さな声で呟く。

「あの、どうして分かるんですか?」

不思議そうに尋ねるリーナを振り返らず、シアナはレイの寝顔を見つめたまま答えた。

「泣き方で何となく分かります。……三年前まで父親でしたから」

「え」

「病気で亡くしましたが……息子がいたんです。妻と同じ病気でした」


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