喫茶ノムラへいらっしゃい!
「かっちゃん…もう帰ろ。」

私が歩きはじめたとき、グッと腕をつかまれた。

「羽奈、ちょっと待って。」

反動で振り向くけど、かっちゃんの顔は見れない。

もう友達には戻れないんだ、そう思うとまた涙が溢れた。

「あの…さ、俺も言っておきたいことあるんだ、羽奈。」

かっちゃんの顔を見ないままうなずく。



「俺も好きだよ、羽奈のこと。」


聞こえた言葉に耳を疑った。

驚いて顔を上げた私に、かっちゃんが少し顔を赤くする。

「…本当はさ、俺から言おうと思ってたんだ。でも、言えなかった。羽奈は俺のこと、幼なじみとしか見てないと思ってたから。」

さっきまでとは違う涙が一筋流れた。

その涙をかっちゃんの指が優しく拭う。

「そんなに泣くなよ。なんか俺がいじめてるみたいじゃん。」

かっちゃんが照れてる。

かっちゃんのこんな顔、見たことない。

「かっちゃんに泣かされてるんだよ。」

そう言って、私は涙を拭うかっちゃんの手を握る。

そのまま手をつないで、私たちは家に向かって歩きはじめた。
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