喫茶ノムラへいらっしゃい!
私たち新聞部は毎月1回新聞を発行する。

ついこの間、来月の特集がバレンタインに決まった。

で、その特集記事を書くのが私と井上に決まった。

別に、いいんだ。

特集記事は新聞の中で一番大きな記事だし、やっと任せてもらえるようになったか、って感じ。

でも、よりによってなんでバレンタインの記事なんだ!

部長の梨華が私たちを指名すると、ニヤッと笑った。

なんだよ、その笑顔は。

記事内容を決めるミーティングが終わると、梨華が私に近づいてきて、小さなメモを渡した。

『喫茶ノムラのチョコで告ると成功するって。このウワサについての記事書いて!
上手くやれよ(笑)』

上手くやれよ、って何!?

(笑)って何!?

顔を上げて梨華を睨むと、梨華は、よろしく〜、と手を振りながら部室を出て行った。

顔がニヤニヤしてるのが、見なくてもわかる。

もう、やんなっちゃう。
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